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自作(改造)ギター Wan1 [2021.08]


2021.08.03
2年半前に着手したギターの製作が漸く完了した。



ボディはヤフオクで手に入れた90年代のFernandes SSH-40(ジャンク品)を整形。それにメルカリで買ったBusker’s製22Fのネックを取り付けた。ボディとネックで税込み約5000円。



ヘッドは元のロゴをはがしてマッチング塗装し、オリジナルブランドロゴをデザイン。

ネックのボディ取り付けは若干サイズが合わなかったので、ネックを切削加工。残念ながらぴったりとはならなかったが、まずまずの見栄えで問題なく接合できた。



実は製作する上で一番苦心したのがネックの取り付けとスケール調整。スケール長を間違うとオクターブ調整が合わず、ハイポジションで使えないギターになってしまう。

元のボディは22Fのロングスケール仕様だったのでそれに合わせてネックを調達したものの、トレモロブリッジなので、どこを基準としてスケール長を測るのか、何度も調べては確認した。ブリッジの駒はある程度前後できるので、最終的には大体のところ(2~3mmの誤差)でネックの接合位置を決定。結果的にはほぼ計算通りに出来上がった。

指板の高さとブリッジの高さを合わせるところもかなり心配だった。ブリッジより指板面が高いと弦が指板に触れてしまう虞があるので、ネック接合部の裏面を削ってできるだけ指板がボディの面に対して低くセットできるようにした。この作業にかなり時間を有したが、結果的に削る必要はなかったと後悔している。余り低くしすぎると、今度は弦を張った時に弦高を低く設定することができなってしまうことが判明。幸いぎりぎりのところで納まったので結果オーライではあったが、無駄な労力を費やしてしましった。見栄えにも影響したし。

セットネックなので、もっと良いネックが見つかれば将来別のネックに交換することは可能。でも、その時はヘッドのマッチング塗装はしないかなー。

と言うのも一番手間が掛かるのが塗装。製作に2年以上も掛ったは塗装のため。購入した古いボディの塗装はがしも面倒だったが、それは体力と根気で解決可能。塗装はかなり特殊な技術で、きれいに仕上げるには下地処理から入念に何度も何度も研磨しては塗料を吹き付る作業を繰り返す。屋内でもできなくはないが、妻が嫌がるので、気候の良い時期(春から夏に掛けて)に屋外で実施。ブルーシートなどを利用して簡易塗装ブースを作ってやたが、雨が降ったり、強風が吹いているとできない。また、一回の塗料吹付けは数分で済むが、塗り重ねるためには最低でも半日時間を置くことになる。ゴミがついたり、垂れたりしたところを研磨修正していると下地が出てきて、また一からやり直す羽目にも。

何度もやり直しているので塗料代だけで約9000円。本体材料よりも高いし、未だパーツを取り付けていない素の状態で既に1万4000円の出費。(実際には紙やすりや他の消耗品や工具類も購入したので実際にはもう少し掛かっている。)中国製の入門者用モデルを買える金額である。

ラッカー塗料で色をイエローにしたのも間違いではあった。黒なら塗り重ねて均一な発色を得るのがもう少し楽だったかもしれないが、どうしてもイエローのポップな感じのギターがほしかったので。

塗装ができてしまえば、そのあとの部品の取り付けや配線(ハンダ付け)作業は正味3日あればできる。

変形ボディやオリジナルロゴの考案も楽しんだが、一番思案を巡らせて遊べたのがピックアップ構成。ボディはSSH仕様なので、ブリッジにはハムバッカーを載せてコイルタップできるようにするのは当然なのだが、それだけではつまらない。3Pミニトグルスイッチを追加して、ブリッジPUをシリーズ、スプリット、パラレルに切り替えできるようにした。更に、ネックPUとミドルPUもシングルサイズハムバッカーにして、これらはトーンポットのプッシュ/プルスイッチでコイルタップ。PUセレクターは当然5Pで、多彩なトーンバリエーションが得られるようになっている。

フロントとミドルには DiMazio DP188 Pro Track、ブリッジには Bill Lawrence L-500XL を搭載。これらは奮発して新品を購入。約2万5000円。

トレモロブリッジは Fernandes 2点支持タイプをヤフオクで購入。ストリングペグは Gotoh のロトマチック。どちらもヤフオクで合わせて約6000円。

他のパーツ類も合わせると結局全部で5万円位の出費。これならまともなギターを新品で買えるというのが結論。しかし、着手前の構想を練る時間も含めて約2年半位の間に、どんなギターにしようか、どんな仕上がりになるだろうか、ワクワク感を堪能できたことには間違いない。

肝心の音も想定した通りのブライトな響きで大満足。既に所有している他のギターとは全く違う傾向の音が手に入った。

因みにボディの材質はバスウッドのようで、もともと小ぶりなのと、角を切り落としているので軽い。ネックはナット幅が42mm。持っているギターの中で一番薄いと感じる。ということで全体がかなり軽量。3kgちょっとかな。

写真で見ると目立たないが、塗装表面に不良個所が幾つかあるものの、素人が作った初めてギターとしては上出来と自賛。

ハンドメイドギターがなぜ高価なのか身に染みて分かりました。